キャンターDUONIC®システム初期設定手順 ミッションオイル交換後は必ず実施しましょう。

キャンターDUONIC®システム初期設定手順です。

DUONICシフトノブ
キャンターDUONIC®はクラッチペダルがなくアクセルペダルとブレーキペダルだけでマニュアル車と同等の走行を行うことができ、運転者の疲労軽減と燃費向上を図るための装置です。必要に応じてチェンジレバーでマニュアル走行もできます。DUONIC ECUが各EUCと通信しバルブボディ内のATFを油圧制御して最適なシフトチェンジをして快適な走行を実現します。整備書では『エンジン不調などを修理完了した場合』、『クラッチオイル・ミッションオイルを交換した場合』でも初期設定を実施とありますので確実に実施したいところです。また発進やクリープ走行,変速のフィーリングが良くない場合、初期設定を行うことで解消されることがあるとも記載してあります。お客様が違和感があると訴えている時は試してみるのも良いかもしれません。


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DUONIC®システム初期設定手順

ではやってみましょう。今回はクラッチオイルの交換手順と併せて説明します。

クラッチオイル交換実施

クラッチオイル交換します。エンジンとミッションの間にフィラープラグとドレンプラグがあります。下図の赤い部分です。
キャンター DUONIC1
下写真の赤〇がフィラープラグ・青〇がドレンプラグです。使用するオイルは緑□のとおりATFです。純正オイルはふそうATF-SPⅢです。社外ATFを使用する場合は適合するか調べてから使用してください。
ドレンプラグ締付トルク39N・m 
フィラープラグ締付トルク約70N・m
キャンター DUONICオイル交換

DUONIC®システム初期設定前準備

初期設定を開始する前に下記の状態であることを確認してください。
1.エンジンECU,DUONIC ECUのソフトウェア書込み及びコーディングが完了状態
2.トランスミッションの油温が約50℃(45℃~55℃)になるように調整済み
3.ATFの油量を確認済み
4.エンジン停止
5.ブレーキ解除してNレンジで車両が静止できる状態である
6.タイヤ空気圧が規定値
7.キャブチルトがロック状態
8.エアコン・冷凍機用コンプレッサー・エキブレSW等エンジン出力によって駆動する装置は停止する

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DUONIC®システム初期設定

上記の準備が終わったら以下の作業を行うことで初期設定モードに移行します。
1.スターターSW「ON」にする
2.右足でアクセルペダルを踏み込み保持したまま
3.左足でブレーキペダル踏み込み保持したまま
4..どちらかの手でチェンジレバー「D」位置で1秒保持→「A/M」位置保持したまま
5.反対側の手でパーキングブレーキ引く1秒保持して→解除1秒保持して→強めに引く
6.メーター内のシフトインジケーターに「1」が点滅表示された状態でアクセルペダルを開放してチェンジレバーを「P」位置にしてエンジンを始動します。

・チェンジレバー「D」位置
キャンターシフトD ・チェンジレバー「A/M」位置(手で保持しないとDに戻ります)
キャンターシフトA/M

初期設定モード

初期設定モードに移行したら、あとは自動で初期設定が終了しますので何もせず待ちましょう。
(エンジン回転が上がったりギヤチェンジ等をする音が発生しますが、静かに待ちましょう)
シフトインジケーターに「N」が表示されたら初期設定完了の合図です。
「R」が点滅した場合は初期設定失敗ですので再度初期設定を実施してください。
パーキングブレーキ解除またはI/GスイッチOFFで通常モードへ復帰します。

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試運転を行う

初期設定を完了後は試運転を実施し走行状態を確認してください。変速ショックが大きい等の違和感がある場合は再度初期設定を実施してみてください。異常がなければ作業完了です。

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まとめ

最近の傾向としてマニュアル車が減少し、マニュアル車であってもクラッチが自動(電動)の車両が増えてきています。やはり運転者の疲労軽減や燃費向上には必要なことではありますが、オイル交換でも初期化が必要になると作業時間も増えてしまいますし、初期化を忘れるとクレームにもなり兼ねないので、しっかり覚えておきましょう。お疲れ様でした。

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