メルセデスベンツC220dオールテレイン メンテナンスモード(ディーラーモード)
メルセデスベンツC220オールテレインのメンテナンスモードについて記載しています。
メルセデスベンツにはメンテナンスモード(ディーラーモード)があり、整備では様々な用途で使用します。今回はリヤブレーキパッド交換の際に必要な電動パーキングブレーキの初期化(位置学習)を紹介します。電動パーキングブレーキは油圧回路とは別に電気的にキャリパーピストンを押し出してブレーキを掛けます。ブレーキパッド交換ではピストンを押し戻さなくてはならないのですが、電動パーキングブレーキの車両ではフィッティングポジションという状態にしないとキャリパーピストンが戻らない構造になっています。国産車ではスキャンツールを使用してキャリパーピストンをフィッティング位置にできるものが多いのですが、国産車以外ではスキャンツールが対応していないケースも多いと思います。メルセデスベンツはほとんどの車両がメーターやステアリングのスイッチ類でコマンド入力することによりメンテナンスモードに移行し、電動パーキングブレーキをフィッティングポジションに移動することができます。メンテナンスモード移行方法は車両により様々ですが、ステアリングスイッチの配列で判断できるかと思います。
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メルセデスベンツC220オールテレインのメンテナンスモード
では、始めましょう。ステアリングスイッチの確認
車両のステアリングスイッチの配列を確認してください。違う配列ですとメンテナンスモード移行方法が異なります。アクセサリー状態にする
OFF状態からスタートスイッチをブレーキを踏まずに1回押し、スタートスイッチ1状態(国産車でいうアクセサリー状態)にします。ステアリングスイッチの右側(現車が右ハンドル車なので右側です。左ハンドル車は左側のスイッチになります)のホームボタン(画像の青〇)を1回押してODOメーター表示状態にします。
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コマンド入力をする
ODOメーター表示状態から「OKボタン(画像の赤〇)を8秒位長押し→ホームボタン(画像の青〇)を8秒位長押し→OKボタン(画像の赤〇)を8秒位長押し」します。入力後メーターの画面が切り替わらない場合はホームボタンを1回押すとメニューが出てくることもあります。個人的にはスイッチの切り替え時(ボタンを離してから隣のボタンを押す際)に素早く押し変えるのがポイントです。OKボタンは上下左右にフリックセンサーがあるためしっかり真上から押すようにすると良いでしょう。
コマンド入力が順調な場合は画面に何も表示されませんでした。「トリップをリセットしますか?」等がメーターに表示された場合はコマンド入力失敗の可能性がありますので最初からやり直してください。
作業項目を選ぶ
メニューが出てきたら作業項目を選んでください。リヤブレーキパッドの交換でアクチュエーターを戻す場合はブレーキパッド交換を選択します。下記の表示が出た場合は何らかの条件が揃っていない状態です。今回はパーキングブレーキONの状態でコマンド入力した結果こうなりました。
パーキングブレーキを戻して再度ブレーキパッド交換を選択するとブレーキパッド交換ができる状態になりました。
フィッティングポジションに移行したらIG OFFにしてリヤブレーキパッド交換作業ができます。
ブレーキパッド交換後はコマンド入力して最後まで指示に沿って進めば完了です。
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まとめ
新車販売のほとんどが電動パーキングブレーキを採用しています。ディスクブレーキだけではなくドラムブレーキでもありますし、トラックではセンターブレーキでも電動パーキングブレーキを採用されています。分解整備をする場合は整備書が必須になりますが、外車の場合は整備書が手に入りにくい状況ですのでインターネット等で検索することがほとんどではないでしょうか。作業時間より調べている時間の方が長くなってしまうこともあるかと思いますので、この記事で少しでも時短になればと思います。お疲れ様でした。Sponsored Links