キャンターFBA50 DPF手動再生回数多い修理

キャンターFEA50のDPF手動再生が頻繁に起こる故障事例です。

キャンター車両
キャンターのDPF・SCR関連故障は非常に多く、チェックランプが点灯したり、今回のように運転手が手動再生を1日に5回以上行うような異常を訴えてくる故障であったり様々です。そのため、スキャンツールを使用して原因を探していかなければならない故障が多く、データモニターの活用が必要不可欠になってきています。スキャンツールのデータモニターをフルに活用し診断速度を上げましょう。

キャンターFBA50 DPF手動再生回数多い修理

故障車両のデータモニターをチェックしても三菱ふそうの車両は正常時の数値が整備書に記載されていないため、現在の圧力値・温度値が正常より高いのか低いのか、正常なのか異常なのか、はっきりしない感じになることもあるのではないでしょうか。DPFの手動再生要求が1日に数回起こるのはもちろん異常で故障原因もインジェクタ・コモンレール・差圧センサー・差圧パイプ・DPF本体など様々です。
では始めましょう。

ダイアグコードを確認

スキャンツールを使用してダイアグコードを確認しましょう。今回の場合はラムダセンサー信号異常が検出されていました。
キャンターラムダセンサー異常コード

データモニタを確認

データモニターを確認して原因を探していきます。
キャンターデータモニタ インジェクタ補正値 インジェクタの補正値は正常範囲内のようです。

キャンターデータモニタ 差圧 差圧を点検したところ少し高いようです。
差圧パイプ詰まり・差圧センサ異常・本体内部の詰まりが考えられます。

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故障診断

ダイアグコード・データモニターから故障原因を想定し現車確認していきます。
まずダイアグコードに検出されていたラムダセンサーを確認します。フロントパイプに取り付けられています。
かなりススが固まっていました。
キャンターラムダセンサー

差圧の点検に入ります。DPFを外して確認しなければ本体の詰まりは確認できません。お客様の了解と工賃の見積もりが必要になる為、事前に確認したところ予防整備も兼ねてDPF・差圧センサーの交換になりました。DPF交換にあたり取り外す部品は差圧パイプ・差圧ホース・排気温度センサー等があります。DPF詰まりの場合は事前に部品を確認しておきましょう。
キャンターDPF排気温度センサー 排気温度センサーです。ラムダセンサー同様かなりススが固まっていますので交換をお勧めしました。

DPF・差圧センサー交換

残念ながら写真はありませんが、今回はDPF本体をリビルド品で交換、ラムダセンサー・差圧センサー・排気温度センサーも交換しました。

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リセット作業

DPF本体を交換した場合、差圧センサーを交換した場合はスキャンツールで初期化が必要になります。
作業サポートから初期化を行ってください。
DPF学習値リセット DPF差圧センサー学習値リセット

DPF再生モード実施

DPFを交換した際はスキャンツールを使用して強制再生を実施します。
キャンターFEA50スキャンツールDPF強制再生画面

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作業確認

排気漏れ・ダイアグコード・データモニターで異常がないか確認しましょう。

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まとめ

日頃から正常値のデータモニターを見慣れていないと故障車両の数値が異常だとわからないと思います。私もその一人ですが・・・。各車両のアイドリング時、ストール時等の正常な状態のデータを知っておくのも作業効率を上げるために必要なことなのだと日々実感していますが、全ての車両のデータを保存しておくなんて、なかなか難しいですよね。厳しい現実です。今回の作業が誰かの何かのお役に立てれば幸いです。お疲れ様でした。

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