【三菱キャンター編】AdBlue(アドブルー)ランプ点灯 故障事例
三菱キャンターFEA50のアドブルーランプ点灯による故障事例について説明していきます。
アドブルー(AdBlue®)とは、ディーゼル車の一部に採用されている尿素水SCRシステムに使用されている高品位尿素水です。排気ガス中のNOX(窒素酸化物)に尿素水を噴霧することで有害物質のNOXを窒素と酸素に分解し、無害でクリーンな排気ガスになるという仕組みです。ここではAdBlue(アドブルー)ランプが点灯した車両のダイアグコード「システム情報6」の消去方法や、尿素水ドージングモジュールの清掃作業を掲載しています。ぜひ参考にしてください。
目次
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アドブルー・チェックランプ点灯
お客様からの御依頼で、アドブルーのランプが点灯したとのこと。すぐに現車を確認してみると赤いランプと黄色いランプが点灯してます。Sponsored Links
スキャンツールでダイアグコードを確認
スキャンツールを使ってエンジンシステムのダイアグコードを確認してみると、下のようなコードが確認できました。スキャンツールはG-scan2を使用しています。現在故障と過去故障の区別がつかないのと、ダイアグコードによりDPFの自動再生が停止していますので、ダイアグコードを消去してDPFの強制再生をしたいみたいので1度消去します。すると・・・
ダイアグコードが消えない
システム情報6というコードが消えません。チェックランプもエンジンは消えましたがアドブルーランプは消えません。アドブルーのダイアグコードを消す
スキャンツールの作業サポートにはECUが記憶しているアドブルー関連のダイアグを消去する項目があります。これを使ってエンジンシステムのダイアグ消去では消せないアドブルーの学習をリセットします。すると、メーター内のアドブルーランプが消えました。
尿素水ドージングモジュールの点検
整備書でNOXセンサーの排出ガス値が高すぎます(3361 18)とシステム情報6(520558 31)というダイアグコードを調べると、アドブルーの濃度点検(純正の溶剤を使用しているか)など、チェック項目がたくさん出てきますが、ディーラーでは尿素水ドージングモジュールを清掃し、様子をみることが多いようです。尿素水ドージングモジュールはSCR内に尿素水を噴霧されるため、SCR前のパイプ部分に取付られています。バンドを外すと簡単に外れます。白くなっている部分がアドブルーの溶剤が固まったものです。しっかり清掃して組みなおします。蒸留水を使用して清掃と整備書には記載してありました。
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DPF強制再生を実施
尿素水ドージングモジュール清掃後はスキャンツールを使ってDPFの強制再生して完了です。Sponsored Links
まとめ
アドブルーに関しては、まだまだ知らないことも多いです。車種・メーカーによって違いがあるので少しずつ掲載していきたいと思います。差圧センサー故障や差圧パイプの詰まり、NOXセンサーの故障等、様々な故障がありますので、故障診断は正確にできるようにしていきたいですね。お疲れ様でした。Sponsored Links